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トップ - 特集「工業都市"茂原"と三井東圧化学専用線のすべて」(目次)
廃線・廃止になった鉄路
工業都市"茂原"と三井東圧化学専用線のすべて (7)
茂原市の商業地区の発展と変遷について (2) 〜 そごう閉店とイオン問題 〜

前節「茂原市の商業地区の発展と変遷について (1)」では、昭和から平成にかけて千葉県茂原市の中心商業地であった茂原駅南口エリアについて、中心商店街である榎町商店街 (アーケード一番街) や駅前通り商店街をはじめ、扇屋ジャスコ茂原店 (ジャスコ茂原店)、茂原そごう、そして、ミニコーナー「茂原市の大型ショッピングセンター、茂原ショッピングプラザアスモ」では郊外にできた地元主導型ショッピングセンターであるアスモの歴史など、茂原市の主要な商業施設について解説いたしました。

1992年 (平成4年) 商店会と大型商業施設 配置図
[パソコンのみ:マウスポインタで画像に触れると表記無し画像に切り替わります] 
(ロゴ・商標等は各社に帰属/藻原寺の画像出典:Wikipedia/OpenStreetMap加筆)

この節では、令和となった現在 (2024年現在) 3月の茂原市の商業の現状について簡単に触れたいと思います。また、ミニコーナー「茂原そごう出店の誤算とそごうグループの栄枯盛衰」では、「茂原そごう」をはじめ、国内外に43店舗を展開していたそごうグループの歴史や超大型倒産に至った経緯について解説しております。

低迷する茂原市の商業地域
失われた賑わい、「茂原そごう」閉店後の茂原駅周辺

前節「昭和から平成へ、茂原駅高架化と茂原そごうの誕生」で解説した「茂原そごう」は、バブルの崩壊やディスカウントストアの台頭などにより売り上げがピークの半分以下まで落ち込み、母体の「(株) 茂原そごう」は、販売不振により負債額235億8,900万円で倒産となり、店舗は2000年 (平成12年) 2月29日に閉店しました。親会社の「(株) そごう」も同年7月に民事再生法の適用を申請し、経営破綻しました。詳細は後述のミニコーナー「茂原そごう出店の誤算とそごうグループの栄衰」にて詳しく解説いたします。

2002年 (平成14年) 1月に、茂原そごうがキーテナントとして入居していた茂原駅前再開発ビル「サンヴェル」は、地権者の一人である「南総通運 (株)」がビルを買収し、現在は「南総サンヴェルプラザ」としてコンビニ、学習塾、茂原市立図書館などが入居し、商業施設から多目的施設に変わりました。(南総通運については、ミニコーナー「三井東圧化学専用線での通運を担った、南総通運株式会社」で解説)

1993年 (平成5年) 茂原そごう
<AI Colorized> (画像出典:市街地再開発)
2021年 (令和3年) 南総サンヴェルプラザ
(画像出典:Googleマップ)

駅前商業核の一角であった茂原そごうの閉店は、納入業者への打撃、従業員などの雇用減少、周辺不動産価格の下落など、さまざまな問題が浮き彫りとなったと思います。また、そごうは地域社会にとって一種のコミュニティ拠点であり、そごうがなくなることで駅周辺に人が集まらなくなり、周辺の商店街などでも購買力の低下や地域の賑わいが失われ、地域社会全体に深刻な影響を与えたと感じています。

「イオンスタイル茂原」建設の遅延への懸念

2018年 (平成30年) 12月2日、もうひとつの駅前商業核であったショッピングセンター「イオン茂原店」(旧称はジャスコ茂原店) は老朽化による建て替えのため一旦閉店しました。(ジャスコ茂原店については、前節「駅前商業核の先駆け、茂原ショッピングセンター「扇屋ジャスコ茂原店」」で詳しく解説)

イオン茂原店公式サイト (2018年12月のスクリーンショット)
(画像出典:イオンドットコム)

2024年 (令和6年) 春には食品スーパーを中核にした総合スーパー「イオンスタイル茂原」として再オープンする予定となっていました。規模などは不明ですが、イオン茂原店 (旧称はジャスコ茂原店) は地上3階でしたが、晩年は3階と2階フロアが閉鎖され、1階の食品スーパーフロアのみが営業していました。

2015年 (平成27年) イオン茂原店
(画像出典:Googleマップ)

前節「駅前商業核の先駆け、茂原ショッピングセンター「扇屋ジャスコ茂原店」」で解説した、「扇屋ジャスコ茂原店」(イオン茂原店の旧称) の出店計画では、地上6階・地下1階で当初は計画されていました。個人的には、近隣の旧東芝コンポーネント茂原工場跡地を駐車場として活用し、当初の計画通りの規模で再オープンしてほしいと期待しています。

[イメージ] イオンスタイル水戸下市 (茨城県水戸市)
(画像出典:イオンリテール プレスリリースより)
「イオン茂原店」同様、食品スーパーだった「イオン下市店」は2015年2月に閉店し、
現在は「イオンスタイル水戸下市」として、2018年1月に再オープンている

しかし、かつて「イオン」の前身である「ジャスコ」は、前述の茂原駅前再開発ビル「サンヴェル」の当初の主要テナントに内定していました。ところが、建設が着工直前になると突然内定を辞退し、「そごう」が救いの手を差し伸べ、「茂原そごう」が新たな主要テナントとなりましたが、フロアなどの再設計や再申請が必要となり、「サンヴェル」の竣工が一年遅れることとなりました。(詳細については、前節「昭和から平成へ、茂原駅高架化と茂原そごうの誕生」で解説)

このような経緯から、個人的には「イオンスタイル茂原」に関しても同様の問題が再び起こる可能性があると懸念しており、楽観視はしておりません。「イオンスタイル茂原」の当初の開店計画は、新店舗建設予定地に掲示されている法令看板 (Googleマップ) によると、新店舗は2020年 (令和2年) 1月に着工し、2021年 (令和3年) 春にオープンする予定でした。

県道41号茂原停車場線から見た、「イオンスタイル茂原」建設予定地 (2023年3月)
(画像出典:Googleマップ)
左に見える南総サンヴェルプラザ、茂原駅南口ロータリー、茂原駅の高架

ところが、2024年 (令和6年) 3月現在、新店舗建設予定地はまだ更地のままであり、経営母体であるイオンリテール (株) から「イオンスタイル茂原」の再オープンに関する公式な見解が出されていません。旧店舗が閉店してから既に5年3ヵ月が経過していますが、予定通りにオープンするか、あるいは再度延期されるかは不透明なままです。

2024年 (令和6年) 3月29日には新たな展開があり、同じイオングループの (株) カスミは「イオンスタイル茂原」の建設予定地から約1.7km離れた大芝地区 (車で約4分) に食品スーパー「フードスクエアカスミ東茂原店」(カスミ大芝店は台風の水害被害があり閉店) を新たにオープンさせました。また、カスミは2022年 (令和4年) に後述する地場スーパーチェーン「ハヤシ」の食品スーパー事業を引き継ぎ、「フードプラザハヤシ本店」は「カスミ茂原マーケットプレイス店」として営業しています。同じ商圏内には地場スーパーチェーン「せんどう」の食品スーパー「スーパーせんどう茂原店」も存在し、食品スーパーが中核となっている「イオンスタイル茂原」の開店は遠ざかった印象を受けます。

2024年 (令和6年) 3月 茂原駅南口方面の食品スーパー分布図
(ロゴ・商標等は各社に帰属/OpenStreetMap加筆)

イオンスタイルが懸念する、茂原市の人口減少

「イオンスタイル茂原」の開店が遅れている理由の一つに、茂原市の人口減少が挙げられると考えられます。前章「茂原市の人口増加のきっかけとなった、日立製作所と三井東圧化学」で解説いたしましたが、かつて朝の茂原駅周辺は、茂原駅から京葉方面への通勤客や駅周辺の各大手メーカーの工場への通勤客で、都心を走る山手線の駅と同様の大混雑が見られ、茂原市の昼間人口の増加率は東京都内を上回る全国で3位になっていました。

中でも日立製作所や三井東圧化学 (現在の三井化学) は、テレビのブラウン管や化学肥料の分野でトップシェアだったこともあり、社員が多く含まれた茂原市民の預金額の増加率も都心に近い船橋市、習志野市、柏市と同水準でした。このため、駅周辺でのショッピングや飲食などの需要が高まり、「扇屋ジャスコ茂原店」(ジャスコ茂原店を経て、イオン茂原店に改称) や「アーケード一番街」(榎町商店街) などがあった茂原駅南口エリアは、茂原市の中心商業地として最盛期を迎えていました。

茂原駅の1日平均乗車人員及び、茂原市の人口の推移と商業イベント
(※茂原駅乗車人員の数値について、1930年から1945年は未入手、1955年は1952年の数値を使用)
(参考:千葉県統計年鑑/千葉県毎月常住人口調査報告書/茂原の昭和史/茂原市における中心商店街活性化への課題)

しかし、近年の国内製造業の不振により、茂原駅周辺の日立製作所、パナソニック、東芝などの工場が相次いで撤退し、期待されていたジャパンディスプレイ (JDI) 茂原工場も不振に陥り、JDI同様、政府系ファンド主導で設立された有機ELディスプレイ製造・開発・販売を行うJOLEDの工場をJDI敷地内に誘致したものの、わずか8年で経営破綻しました。日立製作所とともに工業都市「茂原」の2大主要企業のひとつで、三井東圧化学 (三井化学の前身) の主力工場でもあった三井東圧化学千葉工業所 (現在の三井化学茂原分工場) も規模を縮小したため、かつて茂原駅東口エリアにあった東京ドーム約4.1個分 (5万9,000坪※1) の敷地に林立していた557戸の社宅もほとんどがなくなり、茂原市の人口はかつての目標である10万人についに達することができず、現在は緩やかな減少傾向にあります。

(各企業の沿革については、『工業都市"茂原"を形成する主要企業について』の「三井東圧化学千葉工業所 (現在の三井化学茂原分工場)」、「日立製作所茂原工場 (現在はジャパンディスプレイ茂原工場)」及び、『工業都市"茂原"を形成した主要企業について』の「東芝コンポーネンツ茂原工場」、「パナソニック液晶ディスプレイ茂原工場」で紹介しております。JDI茂原工場やJOLEDについては、ミニコーナー「工業都市・茂原市の現在地、カギを握るJDIの再興と挑戦」、三井東圧化学の社宅エリアの現状については「三井東圧化学千葉工業所周辺の社宅と福利厚生施設」で詳しく解説しております)

「イオンスタイル茂原」の再出店の可能性

茂原市の郊外には、大型ショッピングセンター「茂原ショッピングプラザアスモ」(以下、アスモ) 内の食品スーパーをはじめ、後述する大手資本のスーパーチェーンや地場スーパーを含む20店舗以上の食品スーパーが点在しています。今後は買い物客の減少により、これらの競合店との競争が激しくなり、経営環境も厳しくなると予想されます。かつての「イオン茂原店」は食品スーパーではなく、大型ショッピングセンターでしたが、同じ大型ショッピングセンターである「アスモ」も以前のような集客は見込めなくなっていると感じています。このような状況から、「イオンスタイル茂原」が再出店計画を更に延期するか、あるいは出店を取りやめる可能性も十分考えられます。(アスモの現状については、ミニコーナー「茂原市の大型ショッピングセンター、茂原ショッピングプラザアスモ」で解説)

イオン茂原店公式サイト (2018年12月のスクリーンショット)
(画像出典:イオンドットコム)

以前、茂原市が計画した「中心市街地活性化計画」(前節「昭和から平成へ、茂原駅高架化と茂原そごうの誕生」を参照) では、かつて賑わいを生み出す「駅前商業核」として存在していた「茂原そごう」がなくなり、「イオン茂原店」(イオンスタイル茂原) は未だ復活しておらず、週末でも茂原駅周辺は人通りがまばらで、かつての賑わいが失われたように感じられます。

中心商店街「榎町商店街」の現在

2002年 (平成14年) 1月、閉店した「茂原そごう」が「南総サンヴェルプラザ」として再オープンし、その翌月の2月には主要商店街のひとつである「榎町商店街」から、1975年 (昭和50年) に設置されたアーケードが維持管理費不足により老朽化が進行したために撤去されました。(茂原市の主要商店街については、前節「茂原市の商業地区の発展と変遷について (1)」の「茂原市中心商業地の発展」で詳しく解説)

以下の写真は、最盛期には隣接する「茂原駅前通り商店街」とともに240店舗以上が軒を連ねた「榎町商店街」の榎町通りで、かつて「アーケード一番街」として知られるアーケードが設置されていた時代と、近年のアーケードが撤去された現在の様子を比較したものとなります。

1986年 (昭和61年) 頃のアーケード一番街入口
<AI Colorized> (画像出典:ふるさと茂原のあゆみ)
2021年 (令和3年)
(画像出典:Googleマップ)
所々店舗が撤去され更地や駐車場になっている、シャッターが下りた店舗が目立つ
1992年 (平成4年) 頃のアーケード一番街
(画像出典:茂原市制施行70周年記念誌)
2021年 (令和3年)
(画像出典:Googleマップ)
店舗前のカラーパネルの模様から「メンズセキ」と「きもの鍋屋」は、駐車場となっている事が分かる
1977年 (昭和52年) 頃のアーケード一番街
(画像出典:茂原市制施行70周年記念誌)
2022年 (令和4年)
(画像出典:Googleマップ)
右側のサカモトデパート跡地は、付近で同じ"サカモト"の屋号を持つ、学生衣料・制服専門店の駐車場となっている

2023年 (令和5年) 9月現在、茂原市の商店会について、浜町商店会、文教通り商店会、旭町商店会は解散したと思われ、商店会への登録はありますが、多くの店舗ではシャッターが閉じられている場合が多いようです。

2023年 (令和5年) 茂原市商店会 分布図
[パソコンのみ:マウスポインタで画像に触れると表記無し画像に切り替わります] 
(参考:茂原市商店会連合会/OpenStreetMap加筆)

茂原市内の商店会の最盛期となっていた1972年 (昭和47年) と2008年 (平成20年) 時点での商店会の規模を比較すると、商店会数は「14」から「12」に減少し、総店舗数は「1,371」から「198 (内空き店舗36)」に激減しており、現在はさらに減少していると思われます。

茂原市の商店会会員の推移
(参考:千葉県商店街の現状/茂原市商店会連合会)
※正式名称及び分布エリア [駅南口/駅東口] : 榎町商店会 / サンシティ町保商店会 (旧・銀座東商店会) /
茂原駅前通り商店街振興組合 (駅前通り商店会) / 銀座商店会 / 本町商店会 /浜町商店会 / 千代田町商店会 /
昌平町商店会 / 旭町商店会 / 野巻戸商工会 (旧・野巻戸商店会) / 文教通り商店会 / 西町商店会 /
東町商工会 (旧・東町商店会) / 高砂商店会 / 茂原駅前商店会

茂原駅南口エリアの再開発、賑わい再生への現状と課題

茂原市は現在、1992年 (平成4年) から2031年 (令和13年) まで、「茂原駅前通り地区土地区画整理事業」(茂原市役所HP) を総事業費160億円を投じて、駅前通り商店街エリアを中心に約10.7ヘクタール (東京ドーム約2.3個分※1) の再開発を行っています。

茂原都市計画事業 茂原駅前通り地区土地区画整理事業 構想図
(出典:茂原市役所HP)

この計画については、以前「鈴木玩具屋」(トーイランドスズキ) があった場所に、色褪せた公告看板が掲示 (Googleマップ) されています。この周辺の店舗は閉店し、多くは更地となっていますが、私が親子4代で贔屓にしている焼きそば屋さんや団子屋さんなどの老舗店は今も従来の店舗で営業しており、隣接している旧アーケード一番街 (榎町商店会) には、シャッターが下りた老朽化した店舗が目立ちます。

市の計画によれば、このエリアに一戸建てや低層の集合住宅エリアをつくり、子育てファミリー層を呼び込み、空き店舗を利用したカフェや子育てサロン、子供たちが遊ぶ広場を充実させる予定です。ただし、駐車場については1世帯あたりの駐車台数を見直し、駐車場を最適化してカーシェアリングを前提とした車依存社会から脱却するという方針が示されています。公共交通機関が発達し、バスや電車移動が前提となっている都市部では理解できますが、徒歩圏内にある「イオンスタイル茂原」は未だ開店せず、日々の買物や通勤に1人1台の車が必要な茂原市においては、個人的には非現実的だと感じています。

大手地場スーパーの閉店と深刻化する買物難民化

2022年 (令和4年)、茂原市を含む外房地区を地盤として11店舗の食品スーパーを展開していた「フードプラザハヤシ」(以下、ハヤシ) は、同社が運営している商業施設の「茂原マーケットプレイス」や「茂原セントラルモール」などの貸テナントなどの不動産業に経営資源を集中させるため、突如としてスーパーマーケット事業から撤退し、多くの店舗は既に市内に店舗を出店している大手食品スーパー「カスミ」と大手ドラッグストアチェーン「ウエルシア」のイオン系2社に売却されました。

閉店を告知するチラシ
ハヤシ本店が入居していた、茂原マーケットプレイス (国道128号線沿い)
(画像出典:Googleマップ)

これにより、茂原市近郊の白子町では町内唯一の食品スーパーがドラッグストアに変わり、茂原市内の地場系スーパーの近くのバス停で、このスーパーのエコバッグを持った高齢者の方が白子方面のバスを待っている姿が見られるようになりました。ただし、スーパーの近くにバス停があるのは稀なので、今後のスーパーの再編や統合により、買物難民化が進行するのではと危惧されています。そのため、前述のカスミは2023年 (令和5年) 6月26日から、茂原市内41カ所で小型トラック60台による「移動スーパー」の巡回を開始しました。

このような茂原市での大手地場系食品スーパーの撤退の前例として、2006年 (平成18年) 9月に、ハヤシと同様に外房地区で10店舗のスーパーを展開していた、前章「茂原市の商業地区の発展と変遷について (1)」の「茂原市中心商業地の発展」で紹介した「サカモトデパート」や坂本呉服店の流れを汲む大手地場系スーパー「サカモト」が、前述のカスミやハヤシなどの競合他社の出店が相次ぎ、集客力が低下した上、新規出店過多による負債の増加に直面し、最終的に負債額45憶円で自己破産 (※3) しました。

サカモト茂原東部店 サカモト東金店
サカモト大原店 サカモト勝浦店
(画像出典:サカモトHP)

ハヤシもサカモト同様に店舗を増やしており、茂原市内に新規出店した本納店をわずか5年で業務スーパーに売却したことから、収益が悪化する前に急速な撤退を決断した可能性も考えられます。

ハヤシ本納店
(画像出典:Googleマップ)
生鮮&業務スーパー大網永田店
(画像出典:Googleマップ)

なお、茂原市内には、カスミ、ベイシア、ビッグハウス (タイヨー)、業務スーパー、せんどう、ナリタヤ、ランドローム、スーパーガッツなど、大手資本系から地場系を含む20店舗以上の食品スーパーが出店しています。しかし、車を所有していない消費者にとって、選択肢を持つことが難しく、不利益を受ける可能性も考えられます。そこで、市は近隣の自治体と協力し、各スーパーにも協賛を仰ぎ、コミュニティーバスを増強し、各スーパーを経由する新たな運行ルートを設けることができないものかと、個人的には思っています。

(※1:東京ドーム47,000u・14,217坪で換算/※2:千葉県毎月常住人口調査報告書/※3:帝国データバンク)


次章「工業都市"茂原"を形成する主要企業について (1) [三井東圧化学]」では、茂原市に進出した主要企業とその歴史について紹介いたします。最初に、三井東圧化学千葉工業所 (現在の三井化学茂原分工場) とその主要関連企業である「東洋エンジニアリング」、「三井製薬工業」(後に日本シエーリングを経て、沢井製薬へ譲渡)、「三井サイアナミッド」(現在のMTアクアポリマー)、そして「東洋ビューティサプライ」などについて解説いたします。

さらに、千葉工業所の地域貢献や緑化事業の一環として生まれた園芸店「グリーンサンヨー」についてもミニコーナー「時代を先駆けた、三井東圧化学の緑化事業プロジェクト」として紹介いたします。

(公開日:2024.01.21/更新日:2024.04.24)

工業都市"茂原"を形成する主要企業について (1) 
茂原市の商業地区の発展と変遷について (1)

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